中国人富裕層の海外不動産投資事情、仮想通貨は元を凌ぐか?

海外不動産を購入する際に、仮想通貨を使用する中国人が増えているという。

中国当局が国内での仮想通貨取引の取り締まりを強化しているため、仮想通貨で投資益を得た富裕層は海外不動産市場へとシフトした。仮想通貨で直接不動産を購入する、または銀行を介さずに外貨を得るなど、手法は様々である。仮想通貨による不動産を扱うアメリカの代理店は、香港の証券会社を通じて暗号化(仮想化)された財産権を求める中国人投資家など、顧客の三分の一はアジア人になると見ている。

South China Morning Postによると、香港で購入された不動産は、海外で保有されている他の金融資産と同様の税金や書類を必要としない。それもあってか、しばしば香港のブローカーを通じて外国の不動産への中国の投資が年々増加している現状だ。今や初期のビットコイン・アダプターは、おなじみのパターンに新しい富を利用している。

仮想通貨を利用し国外へ資金を引き出すことは、香港などに銀行口座を開設して引き出すよりも容易であり、仮想通貨を用いた不動産購入は今後も増えると考えられている。

不動産のエリアとしては、アメリカやイギリスなどが人気で、特にカリフォルニア・ベイエリアやロンドンなど金融ITの中心地の需要が高まっている。カリフォルニアでは、戸建て住宅の四分の一近くがローンなしの現金購入になっているという。中国のベテラン仮想通貨利用者は、仮想通貨で直接物件を購入するのではなく、現金化する人が多くなっている。

また、熱心な仮想通貨利用者はセカンドハウスや投資物件を購入する傾向があり、これが海外バイヤーから直接仮想通貨を受け取りたいと考える売り手側の需要とマッチしている。ニューヨーク・タイムズ紙は、中国の巨額な住宅市場を「まるでカジノのようだ」と表現している。さらにロイターは、助成金の減額など、不動産開発に対する規制は今後も引き続き厳しくなるだろうとの見方を示している。

仮想通貨を用いて不動産を購入するのは、中国人に限ったことではない。2017年には、ヨーロッパの人々がビットコインでドバイの高級物件を購入した実績もある。今や仮想通貨が世界各地の不動産に影響を与える存在になっていることは間違いない。

参照:CoinDesk

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