タイ富裕層の「金離れ」に見るライフスタイルの変化

写真:© 高田胤臣

タイはいたるところに金を取引するゴールドショップ(金行)が点在するほど、金への投資が盛んな国だ。以前のタイでは、自国通貨よりも金のほうが信頼性が高かったため、多くのタイ国内富裕層が金製品で資産を保有することが多かったことが背景にある。

しかし、ここ数年タイ国内富裕層の金への関心が低くなって生きているという。ご存知の通り、金は世界的な現物資産として知られているが、タイに限らず様々な国で金製品への関心は低下傾向にある。タイ在住の欧米人投資コンサルタントは「タイの金製品にはフェイクのリスクがあるため、あまりおすすめはしません」と語る。つまり、信頼性が高くないため、仮に資産として金製品を保有していても、国内外で売ることが難しいということだ。

また、金は安定資産であるため、売却益があまり期待できないという事情もある。相場が世界共通のため、安く購入し、高く売却するということが難しいのだ。また、現在は高値で推移しているため、将来的に価値が上がることが期待しにくい状況でもある。

しかし、タイ国内富裕層の金への関心が薄れているのは、もっと単純な理由のようだ。複数の金行経営者によれば、「金アクセサリーを身につけること=ダサい」という風潮が強くなってきたためだという。タイも昔と違ってインターナショナルになってきており、SNSの普及も合わさってファッションに対する考え方が変化してきているようだ。

タイに限ったことではないが、経済発展などによって社会が変化することによって、人々のライフスタイルも変化する。そのため、富裕層ビジネスでも、定期的に動向をウォッチしておくことは重要なポイントになる。

とは言うものの、動向や事例を知りたいというニーズはあるもののなかなか情報を集めにくいという声も多く、当社では日本、アジア、欧米豪、インバウンドの4つのテーマで、富裕層ビジネスの動向を当社の富裕層マーケティングの知見を絡めて取りまとめたマンスリーレポート「富裕層マーケティング資料(マンスリーレポート)総合研究所」の販売を実施しています。詳細やご購入は下記サイトよりお願いいたします。

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