写真:(c) IHH Healthcare Berhad
三井物産が2018年11月29日に、アジア最大の民間病院グループIHH社に約2,300憶円を追加出資すると発表した。これにより出資比率が32.9%となり、IHH社の筆頭株主になる。IHH社は現在、マレーシアに本社を置き、マレーシア、シンガポール、トルコ、インドなど9か国で富裕層向けの病院を展開している。
三井物産は、ヘルスケア事業を中核事業のひとつに据えており、アジアでの出資に力を入れている。まず、2011年に社内の関連事業をまとめ、ヘルスケアの担当部署を新設。同年にIHH社への出資を開始。その後、中間層向け巨大病院グループのコロンビアアジア社、米国の透析治療会社、国内の糖尿病検査器大手などに出資。ビジネスの拡大を図ってきた。
今回のIHH社への追加出資は、IHH社傘下の病院に関与する機会を増やし、欧米や日本の新しいビジネスモデルの導入、9か国の膨大な患者データを全社で活用できる仕組みの構築など、アジアにおける医療の効率化、高度化に貢献するのが狙いだ。
アジアのヘルスケア市場は、新興国の人口増加や先進国の高齢化などにより年率10%の伸びを示すなど有望な市場として、国内では、三井物産だけでなく、伊藤忠商事、三菱商事、双日、豊田通商など、多くの商社が注目している。
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